ここに可動コイル型の電圧計がある。
可動コイルに電流を通じ、磁場を発生し、コイルおよび芯が磁化することで、固定された永久磁石との反発・吸引によりコイルに接続された指針を動かすことによって指示する計器である。
しかし、磁化材料にはヒステリシス特性(左図)があり、コイルによる磁場に対して磁化が比例せず、磁場が強まるときと比べて磁場が弱まる場合の磁化が大きくなる。
ただし、現実の計器ではこのような極端な特性を示す磁化材料は使わず、動作電流は曲線がほぼ直線状とみなせる範囲のみに制限しているため、ほぼ電流に比例した値を指示するものとして利用している。
このとき、磁場と磁束密度はヒステリシスループの一部でマイナーループ(右図)を描くように変化し、指示がわずかにずれる。