LDの温度

LD(半導体レーザ)は、pn接合での電子と正孔の再結合によって生じた光を共振器で増幅することによりレーザを発振する。放出される光は、再結合する電子と正孔のエネルギーの差に相当する振動数の光であり、そのうち、共振器で増幅される振動数に一致する光だけが誘導放出として発振され、一致しない光はLEDと同じ自然放出としてそのまま放出される。
フェルミ・ディラック分布関数
f(E)
により、図22のように、温度が上がると電子と正孔の分布する範囲が広がり、生じる光の振動数の幅も広がるため、レーザとなる振動数の割合が減ると考えられる。そのため、温度が上がるとレーザとしての出力を得るために多くの電流が必要になり、しきい電流があがる。

LED(発光ダイオード)では、全て自然放出による発光のため、温度が上がっても、発生する光の振動数の幅が広がるだけで、出力の強さはLDほど変わらない。

図22 伝導電子と正孔