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2009年劇場版『だだんだんとふたごの星』について。
ギラリは“誰”だったのか
この作品を見た方は当然知っているはずだが、ギラリの正体はキラリである。
少なくとも身体的には。
さて、この話の中には非常に不自然な箇所が存在する。
キラリが元に戻ったシーンで、キラリ自身は状況を理解していなかったのだ。
ギラリでいる間ずっとキララを追い続けていたにも関わらずだ。
このことが意味するのは、キラリが“ギラリ”でいる間、“キラリ”は意識がなかったということだ。
ではギラリはいったい誰の意思で動いていたのか。
ヒヤリは作中でこのことについて、「どうやらあいつはジャイアントだだんだんを動かせるようじゃ。あるいは心の一部かもしれん。」と考察していた。
ギラリを動かしているのがジャイアントだだんだんの心の一部だとすると、ギラリが活動するのに“キラリ”の意思は必要ないということになる。
こう考えることで、先ほどの不自然な箇所に説明がつく。そのときの状況を知っていたのは“キラリ”ではなくジャイアントだだんだんだったのだから。
しかしそう考えると当然、次なる不自然な点が現れる。
なぜギラリはあんなにキララにこだわったのか。
ギラリがジャイアントだだんだんの心の一部であったとすると、ギラリのするべきことは“アンパンマンをやっつけること”だったはずだ。
しかし実際にはアンパンマンには目もくれずキララを追ってばかりだった。
アンパンマンが「キラリちゃん、君は二人で夜空に帰りたい、だからキララちゃんを追いかけてる。」と言っているように、キララを追う理由があるのはキラリのほうだ。
ところで、われわれ人間は人格形成において他人の影響を少なからず受ける。例えばあなたが生まれた頃からずっと「お前は犬だ」と言われ続けて育ったならあなたは自分が犬だと信じるようになるだろう。
人間の心理がそのままジャイアントだだんだんに当てはめられるかどうかは定かではないが*1、ジャイアントだだんだんの心がその成長過程において周辺の影響を受けたと考えることはできる。
そう考えたとすると、ジャイアントだだんだんの心が最も強く影響を受けた相手のは言うまでもなく、心が宿った身体、つまりキラリだ。
ジャイアントだだんだんの心は成長過程でキラリの人格を一部取り込んだわけだ。
そしてジャイアントだだんだんの心はキラリの身体に宿ったまま、ジャイアントだだんだんの筐体*2にも装着された。
そのためにキラリの身体は、ヒヤリが心の入れ物にするつもりでいた“心の玉”から抜け出したのだ。
そして事情を知らないばいきんまんたちが“ギラリ”と名付けた。
そのため、ギラリの正体は厳密には、“ジャイアントだだんだんの心を持ったキラリ”だったのだ。
これが一応の結論である。考える過程はどうあれ同じ結論に至った人はそれなりにいると思う。
ジャイアントだだんだんの自己同一性
さて、このことは実はキラリにとってはどうでもいいことである。
なぜならば、キラリは身体を“貸した”側であり、その間眠り続けていたのと同じことだからだ。
しかしジャイアントだだんだんにとっては一大事である。
ずっと“ギラリ”だと思っていた自分の身体が実は別人“キラリ”のもので、自分の心は操り人形の“ジャイアントだだんだん”のものだったのだ。
人間で例えてみれば、飼い犬と以心伝心だと思っていた飼い主が、実は飼い主に乗り移っていた飼い犬だったようなものだ。
メモは書きかけのままここで途切れている…。
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