劇場版第30作
かがやけ!クルンといのちの星

アニメ「それいけ!アンパンマン」の情報を掲載している非公式のファンサイトです。
基本的にあらすじでは結末まで記述していますのでネタバレにはご注意ください。
(設定)

日付
区分劇場版第30作
監督
脚本
演出
シリーズ
主要キャラ
関わったキャラ
その他登場キャラ
舞台となる場所
行われた行事
  • 星祭り
登場した乗り物
登場した食べ物
  • パン
  • シチュー
  • サラダ
  • ホットミルク
  • カレーライス
使われた道具
使用曲
変装
変身
オープニング曲
エンディング曲

あったのに…何か、大切なこと…

あらすじ

ばいきんまんが、ゴミをどこかに転送してその場から消し去るハイパーゴミキエールを開発。大きなゴミを無理やり詰め込もうとしたところ、逆流して小さな子供が転送されてくる。何もかも忘れて、自分の名前もわからないその子供に、クルンと名を付け、一緒に暮らし始める。

そのころから、アンパンマンワールドでいのちの星が観測されなくなり、黒い星が飛来して地上に被害を及ぼすようになる。

ある日、クルンはばいきんまんとはぐれてしまい、そこで出会ったアンパンマンと、パン工場で暮らし始める。それに前後するように、クルンは人々や自分の生まれた意味をしきりに気にするようになり、夜な夜なうなされるようになる。ある夜、クルンは真夜中に目を覚まし、寝ぼけたまま導かれるように黒い星の落下点に赴き、黒い星を光輝くいのちの星の姿にする。

ジャムおじさんは文献を紐解き、黒い星が現れたのは、いのちの星のふるさとに災いが起きたためであると特定。クルンもいのちの星に関係があると判断され、クルンを連れて、宇宙の彼方にあるいのちの星のふるさとに向かう。

いのちの星のふるさとで見たものは、無数のゴミがいのちの星を汚染していく光景だった。バイキン城のハイパーゴミキエールはここにつながっており、壊れたバイキンメカの残骸を送り込み続けていたのだった。

アンパンマンたちが到着すると、ゴミが集まって様々なバイキンメカの姿にになる。黒い星の力でアンパンマンをやっつけたかったばいきんまんは、メカたちにアンパンマンを襲うよう命じる。

しかし、メカたちの中心となる新しいメカ“バイスター”が他のメカを分解してばいきんまんを襲う。アンパンマンがばいきんまんを助けるが、今度はアンパンマンのほうがゴミに押しつぶされそうになる。アンパンマンの仲間たちもばいきんまんたちもアンパンマンを助け出そうとするが、その間にもアンパンマンは押しつぶされ、いのちの星が抜けていく。

地上では、黒い星の被害が広がる中、町の人たちみんなが、遠くで戦うアンパンマンのため、星にいのる。

祈りに応えるように、クルンの周りの黒い星が少しずつ輝きだす。そのとき、クルンは「自分にはいのちの星を守る役目がある」と思い出す。そして、周りの黒い星全てを元のいのちの星に戻す。

輝きを取り戻したいのちの星と、新しい顔で、アンパンマンが復活。ばいきんまんと協力して、バイスターを粉砕。やがて、黒い星やバイスターの被害も消滅する。

クルンはいのちの星を守る役目を果たすためいのちの星のふるさとに残り、アンパンマンとばいきんまんたちは帰途に就く。

解説・感想

*2
アンパンマン30周年記念。長くなるので、章を分けて記述する。

冒頭の歌とダンスパート

*1b
冒頭は、一昨年から恒例の、歌とダンスパート。星祭りの出し物の練習で、元気100倍!タンバリンを鳴らしながら、『星にいのる~2018サマーサンバ・バージョン~』や『サンサンたいそう』を踊る。

『星にいのる~2018サマーサンバ・バージョン~』は、今作のテーマ曲。しんみりした歌詞とメロディの名曲『星にいのる』の、陽気でゴキゲンなサンバアレンジである。初めてこの歌を聴いたとき、私はあまりのギャップにトチ狂ったことを呟いてしまったが、テーマ曲がご機嫌にアレンジされても本編はちゃんとしたストーリーなのでご安心を。伴奏はそれなりにサンバっぽい感じになっているが、もともとのメロディがしんみりしているので、曲全体としては、明るい星にいのる、と言ったところ。踊りの振り付けはサンバとは特に関係なく、タンバリンを流れ星に見立てて流れ落ちるように揺らす。あと間奏で顔芸。

『サンサンたいそう』は、おなじみのエンディングテーマで、エンディングでよく見るあの踊りをする。右手にタンバリンを持っているので、右手を動かすところでシャンシャン鳴らす。途中でシーンがバイキン城に切り替わり、だだんだんを建造するばいきんまんのミュージックビデオ風になった。この曲は別にテーマ曲でもなんでもないが、あとあとのことを考えると、歌詞(赤い目らんらん)が微妙に伏線っぽくなっている

それぞれの役目

*1c
「何のために生まれて、何をして生きるのか」、自分の役目とは何なのか、これが今作のテーマとなっている。

クルンの役目は、「いのちの星を守ること」。これは、歌とダンスパートが終わって早々に判明するが、クルン本人はバイキン城に来た拍子に忘れてしまっている。視聴者は、最初から分かっている結論を、作中のキャラクターがどのように気付いていくかを見守ることになる。

アンパンマンの役目は、「困っている人を助けること」。それはばいきんまんが相手であってもぶれることはない。まあ、普段だとばいきんまんが「困らせる側」だからアンパンチせざるを得ないわけだけど。

ばいきんまんの役目は、「アンパンマンをやっつけること」。アンパンマンがいなくなればいいわけではなく、自分の手でやっつけるところにこだわりを持っている。これがアンパンマンを助ける理由にもなるのだ。

他のみんなは、おおむね「わからない」。ジャムおじさんは、どんなに小さな命でもそれぞれの役目を持っていて、それに気付くことができたら幸せなことではないかと述べている。ロールパンナがテントウムシを手に取るシーンが象徴的。

クルンの名前

*1d
クルンは記憶喪失だったため、自分の名前も思い出せずにいた。名前を訊かれて「くーるるん?」と呟いたのを、ドキンちゃんが「クルン」と解釈した。聞こえ方次第では「クルルン」になってたんじゃないか。記憶を取り戻しても名前を思い出さなかったので、もともと名前がなかったのかもしれない。

バイキン城内

*1e
今回のバイキン城は各種レクリエーション施設が充実。テレビゲーム、ボウリング場、ライブ会場などなど。よくゲストキャラが入り込んで大変なことになってしまう機械室は出なかった。

*1f
コントロール室のモニターは、いつものワイヤーフレームではなく、カラーのラスター画像(ドット絵)。この画面でクルンとドキンちゃんがゲームに興じていた。パン工場にいるクルンもこのモニターを通じて確認していた。

*1g
バイキン城内のライブでクルンが持っていたのは、冒頭のお祭りのシーンで出ていたのと同じタンバリン。祭りの参加者に配布されたものだろうと思われるが、ばいきんまんも普通にもらえたのだろうか。ホラーマンやコキンちゃんといった割と穏健な仲間もいるのでそっち経由で入手した可能性もありそうだ。

*1h
問題は、地下のゴミ処理場にあるハイパーゴミキエール。機械により人工的にワームホールを作り出し、ゴミをどこかへ転送するという壮大な仕組み。転送先は不明という何とも危険かつ無責任な代物である。実際の転送先は、いのちの星のふるさと。この機械が逆流した拍子にクルンが転送されてきた。今回の騒動は、だいたいこれのせい。

アンパンマン号

*1i
今回のアンパンマン号は、宇宙船アンパンマン号。外が見える窓が側面にもついている。

毎回突っ込みどころ満載な発射場だが、今回は、パン工場が丸ごと移動して、その下から発射場が現れる。

ぼくの顔をどうぞ

*1j
クルンがおなかをすかせたときや、パトロールの途中など、アンパンマンが顔を分けてあげるシーンがたびたびあった。

その中でも特筆すべきは、無人星に不時着したときにばいきんまんに顔を差し出すシーン。ばいきんまんは、空腹とプライドの葛藤の末…この先は実際に見たほうがいいだろう。このときの二人の気持ちの食い違いを考えてみるのも面白いかもしれない。

黒い星

*1k
黒い星は、いのちの星が、バイキン城のゴミの影響を受けて変化したもの。空から落ちてきて、周囲に悪影響を及ぼす。直接触れると、青黒い稲妻が走り、ダメージを受ける。周囲に広がる黒いシミに触れても、体力を奪われる。

クルンには、黒い星をいのちの星に戻す力がある。黒い星は当初所かまわず飛んで行ったが、クルン到着後は、クルンに寄り添うように周囲を漂っていた。最終的に、各地に散らばった黒い星も、いのちの星に戻って空へと消えていった。

復活メカ

*1l
復活したメカは、だだんだん、ゴロンゴロ、もぐりん、ジャイアントベアリングロボ、チェンジバードロボの5種類。スゴイゾウらしき残骸もあったような気がしたが、これは復活しなかった。

過去の映画(『勇気の花がひらくとき』や『ルビーの願い』)の強敵までもが登場する豪華な顔ぶれだが、再生怪人のお約束にもれず、弱い(参考外部リンク→再生怪人の考察)。

鳴き声的なもの(DFV VGLさんのコメントから転記)
だだんだん:「だだんだぁーん」
ゴロンゴロ:「ゴォロンゴロォー」
チェンジバードロボ:「ヴァーッドッ」
ジャイアントベアリングロボ:「ロボッ」
もぐりん:「無し=飛行・ドリルの回転音」

バイスター

*1m
今回の敵は、バイスター。いのちの星のふるさとで、バイキン城のゴミが勝手に集まって出来た謎の存在。キャラクターと呼んでいいものか微妙だが、ここではキャラクターとして扱う*3。名前は作中では明かされないが、パンフレットで確認できる。

バイスターの外見は、暗い色の球体に、先の丸いツノが生え、赤い目が爛々と輝く姿。ばいきんまんの意匠を部分的に備えつつも、表面がデコボコだったり、単眼だったりと、歪な姿となっている。

ツノの部分から赤黒い稲妻を発射してゴミを操ったり、触手を伸ばしてビームを発射したりする。触手から放たれるビームを浴びると、流れ星の姿になってしまう。最終的に、そのビームを逆に利用され、無力化した。

メカを壊されてもすぐ修理して再出撃したり、多方面を狙いつつもアンパンマンに特に執念深く攻撃したり、味方のはずの者を躊躇なく狙ったりと、その行動は、敵意に満ちた(または調子に乗ってる)ときのばいきんまんに似る。武装を破壊され、やけくそになって無防備にアンパンチに突進していく様は、さながら“いつものばいきんまん”のようだった。

町の人たち

*1n
アンパンマンたちが黒い星の根源を断ちに飛び立っても、町には黒い星が降りしきる。アンパンマン不在のアンパンマンワールドで自分たちの身を自分たちで守らなければいけなくなった。ロールパンナやハンバーガーキッドなどのヒーローたちも積極的に動いていたが、町の人々も、助けを待つばかりでなく、お互いに助け合い、励ましあっていた。

自分たちの力では直接解決不可能な問題に対し、町の人にできることは、“祈ること”。遠く遠く、声も届かず、見守ることさえできないほど遠くで頑張る人のため、空に向かって祈りをささげた。

このシーンで満を持して流れた曲が、『星にいのる』のオリジナルバージョン。お祭り用に楽しいアレンジだったサンババージョンに対し、原曲となるこちらは、優しく美しいメロディ。

パンダ

*1o
パンダじゃないやい!
クリームパンダのお決まりネタは健在。今回は、ご丁寧にも、姿がパンダ化するだけでなく、背景も水墨画風になり、手には笹。パンダじゃないか。

ミミ先生

*1p
寝るとき眼鏡は外してもリボンは外さないミミ先生。

子供たちの有り余るバイタリティに大人たちがついていけないとき、その橋渡しをするのも教師の役目ではないか。今回のミミ先生を見てそう思った。

ゴミラの星

*1q
いのちの星のふるさとに到着するまでには、ゴミラの星ことヤーダ星も経由。ゴミラは見かけなかったが、ルルンとその仲間がいた。ゴミを食べてくれるゴミラを連れていけばあっという間に解決だったのに、と思ったけど、あんな凶悪なゴミ食べたら邪悪化して暴走するか…。

『いのちの星のドーリィ』との関係

関係なかった。

“いのちの星”というキーワード繋がりで、劇場版第18作『いのちの星のドーリィ』を思い浮かべることもあったが、キーワードとなるいのちの星に対するアプローチが、正反対と言ってもいいぐらい異なっていた*4ドーリィ本人も登場していない(はず)。

いのちの星の伝承や、星祭りなど、根本的な設定については、もちろん『いのちの星のドーリィ』と同様。

エンディング

*1r
エンディング曲は、勇気りんりん。劇場版第15作『ルビーの願い』と同様、みんなで歌うバージョン。映像は、いのちの星のふるさとからの帰り道と、星祭り。

帰り道の映像では、ばいきんまんがアンパンマン号にちょっかいを出して、簡単にバックを取られ、ノーズパンチで小突かれている。

特典等

  • 前売券購入特典:はじめてのおでかけポーチ
  • 来場者特典:元気100倍!タンバリン

パンフレット

  • ネタバレだよ!気を付けて!(このページ見てる時点で手遅れな注意喚起)
  • 歴代ポスターギャラリー、お話、キャラクター紹介、歌の紹介などがある。
  • 紹介されている歌は、『アンパンマンのマーチ』と『サンサンたいそう』(振付付き)。残念ながら、『星にいのる』はない。

プレゼントクイズ

あまり大々的に告知されていないが、今回もプレゼントクイズがある。

きて!みて!こたえて!プレゼントキャンペーン | 映画「それいけ!アンパンマン かがやけ!クルンといのちの星」公開記念

答はもう出題時点でわかり切っているようなものだが、一応、出題と回答を記載しておく。

クイズ:バイキン城の地下にある大きなごみ箱「ハイパーゴミキエール」を作ったのはだーれ?
答:ばいきんまん

その他もろもろ

  • クルンが言う「わかんない」は、本当にわからないときと、ふざけて言っているときがあるようだ。
  • ばいきんまんからはぐれたときのクルンの不安な表情がすごく印象的だった。
  • オバカじゃないよカバオだよ。
  • 無人星に不時着するときの名犬チーズが実に名犬であった。
  • アンパンマンを助けようとしたみんなの行動が、よけいアンパンマンを圧迫しているように見えた。
  • 今更な宇宙服。
  • シリアスなストーリーではあるが、悲しみに包まれるような辛い場面はなく、安心して見ていられる。
  • もしかして、アンパンマンのマーチ、あんまり関係なかった…?
  • 足まくり!
  • まだいっぱい言いたいことあった気がするけど…うーん、わかんない。

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コメント

  • 食べ物の分類に「おだんご」「たこ焼き」、「綿あめ」、「ソフトクリーム」「かき氷」、「アイスキャンディー」「おむすび」「鉄火巻き」「白玉あんみつ」を入れてください。
  • ロールパンナ「メロンパンナ、クリームパンダ」
  • ドクター・ヒヤリ出番なし。
  • ※本作が土曜で公開されるアンパンマン、最後の公開となり、次回作からきらめけアイスの国のバニラ姫から金曜に公開されることとなる。30年間アンパンマン映画シリーズ、土曜の公開は幕を下ろすこととなった。
  • ※平成、最後のアンパンマン映画シリーズの公開となった。さようなら、今まで30年間ありがとう☺ そして35年の記念すべき映画もお楽しみに!
  • なんと!2018年度のエピソードまで未登場だったしらたまさんがedのみ登場してましたね。私が高校卒業し、2019年から復帰登場となりましたね。
  • ※1989年3月から30年間、土曜日に公開される映画は本作が最後となった。30年間連続に続いたアンパンマンの映画シリーズでの土曜日の公開は幕を下ろすこととなった。次回作きらめけアイスの国のバニラ姫から金曜日に公開されるようになった。
  • 今作の勇気りんりん15周年と同様だったのか、ルビーの願いはキャラの声が分かりやすかったけど
    ブラックノーズの勇気りんりんもキャラクターたちが合唱してるよね?
    どの作品のスタッフクレジットには歌ドリーミングとしか書いてないの実際どうなんだろうか
  • アンパンマンとふしぎなクルルンを想い出す。
  • 「再生怪人の考察」のリンクが切れてしまっているようです。修正お願いします

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商品情報

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かがやけ!クルンといのちの星

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オープニングクレジット

  • 原作:やなせたかし(フレーベル館刊)
  • 監修:天野誠
  • 製作:今村司 / 船越雅史 / 竹崎忠 / 飯田聡彦 / 越尾正子 / 林隆一郎 / 渡邊祐司
  • プロデューサー:岩崎和義 / 星野恵 / 桐本篤
  • 脚本:金春智子
  • 主題歌:やなせたかし / 三木たかし
  • 音楽:いずみたく / 近藤浩章
  • キャラクターデザイン / 作画監督:前田実
  • 美術監修:石垣努
  • 美術監督:光元博行
  • 色彩設計:原田幸子
  • 撮影監督:佐々木明美
  • 編集:小宅貴史
  • 音響監督:山田知明
  • 音楽監督:鈴木清司
  • 音響効果:糸川幸良
  • 演出:日巻裕二
  • 文芸担当:上田菜保子
  • 制作担当:竹元将泰
  • 監督:矢野博之